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大塚塗装のよもやま話~シーリング工事の要点~

皆さんこんにちは!

株式会社大塚塗装更新担当の中西です。

 

シーリング工事の要点

 

「シール=埋める作業」ではなく、「ジョイント設計」。
目地の動き量、接着面の選定(2面接着)、断面比、プライマー適合、硬化管理が寿命を左右します。
ここを外すと、どんな高耐候塗装も端部から破綻します。


1️⃣ ジョイントの基本思想

  • 2面接着が鉄則
    背面はボンドブレーカーやバックアップ材(丸棒)で非接着。
    左右の2面のみ接着し、伸縮追従/3面拘束破断の防止を実現。

  • 断面設計(幅:深さ)
    → 一般に 1:1/2〜2/3 が基本。
    深すぎ=硬化不良/表面しわ。浅すぎ=破断リスク。

  • ムーブメント(設計変位)
    サイディング目地は ±10〜25%を想定。
    可とう性の高い材料選定が必須。


2️⃣ 材料選定のロジック

種類 特徴・用途
変成シリコン(MS) 塗装可/汚染少/屋外万能。戸建て外装の定番。
ポリウレタン(PU) 弾性◎。ただし黄変・汚染注意。塗装前提で使用。
シリコーン 耐候◎だが塗装不可が多い。ガラス・金属・浴室向け。
2成分型 均一性能・厚塗り可。可使時間管理が重要。
ノンブリード 可塑剤移行によるベタつき・汚染防止に必須。

3️⃣ 下地とプライマー適合

  • サイディング:粉化除去→専用プライマー→既定時間内に充填。

  • 金属部:脱脂→研磨→金属用プライマー(ガルバ対応必須)。

  • 塗膜上:付着試験で可否確認。旧塗膜が脆弱なら撤去が無難。


4️⃣ 施工手順(打替え標準)

  1. 既存撤去:カッターで壁面を傷めず切除。底まで除去。

  2. 清掃・脱脂:ダスト・油分除去(エアブロー+ウエス)。

  3. バックアップ材/ボンドブレーカー挿入:深さ制御&非接着確保。

  4. プライマー塗布:規定量・乾燥時間厳守(放置NG)。

  5. 充填:連続吐出で気泡レス。やや多めに。

  6. ヘラ押さえ:両面に圧力。表面なでるだけは×。

  7. 養生撤去:糸引き注意。角を立てて引く。

  8. 硬化・養生:表面硬化後に塗装。可塑剤移行時間も考慮。


5️⃣ 増し打ち適用の見極め

状況 判断 対応
深さ十分・非接着確保・旧材健全 プライマー併用で上から増し打ち。
痩せ・割れ・剥離進行/背面接着疑い 不可 打替え一択。

6️⃣ 気象・硬化管理 ️

  • 露点差 ≥3℃/湿度 ≤85%
    → 低温高湿は白化・しわの原因。

  • 降雨予報対策:初期硬化前の降雨NG。
    → 日照・風で可使時間が変動するため、工程管理が鍵


7️⃣ 取り合い部のコツ(サッシ・笠木・入隅)

  • サッシ回り:水抜き孔を塞がず、二面接着を維持。

  • 笠木重ね代:一次止水(板金)を優先し、シールは二次止水扱い。

  • 入隅/出隅:R仕上げで応力集中を回避。


8️⃣ 典型不良と対策

不具合 原因 対策
3面接着による破断 背面処理不良 ボンドブレーカーで非接着確保。
気泡・ブロー 吐出速度・ノズル角度不良 過充填→ヘラ押さえで除泡。
早期汚染 ブリード ノンブリード材+表面洗浄。

9️⃣ 検査・記録

  • 記録項目:断面寸法写真(幅・深さ)/プライマー缶/使用ロット

  • 環境データ:温湿度・養生時間を記録

  • 報告:打替え数量をm・箇所で明記→見積突合で透明化

 

 

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